CAST

ねえリナちゃん、少しは涼しくなったな。でも、まだ暑いな。

9月だからもう秋のはずなんだけどね。ぜんぜん涼しくない。部屋、暑いよ。

っていうか、それ、おじさんがいつもリナばっかり作ってるからでしょ。

……まあ、そうだけど。

で、今日は何が気になるの? ていうか、ここどこ?

ここは、おじさんのオデッセイのラボだよ。

ラボ? なんか怪しい。

それで、ここでは何をやるの?

検証かな。おじさんが作りたい世界が、どこまで絵にできるのか。

どうせ変態画像でしょ。

うぎっ——。

(半目で)図星か。

いや、昔さ。ミッドジャーニーとかで、1万点くらい作ってみたんだよ。そのとき思ったの。なんで、できないんだろうって。

古いマックブックでさ、1枚8分。大きい画像は18分とか。あの頃の悔しさっていうか……色々、試し損ねたままでさ。だから、今日は本気でやってみようと。

いいじゃん。やろうよ。

日々AIの画像を研究して、よりいいもののために、小さいマックで毎日数十枚以上を作り続けている暇なおじさん。そして、わたしリナが、おじさんの疑問に答えながら、AI画像の限界と可能性を探っていきます。いろんなAAPモデルをお招きして、被写体になってもらうので、お楽しみください。

@aap-labo|AAP-LOG

これ、涼しいよ!

おじさん、今なに作ってるの?

え? 水の表現。

なにそれ。AI画像の話?

うん。究極の水の表現。……それで、今思い出したんだけど、アイスバケツ。ねえリナ、アイスバケツって何? なんでやるんだっけ?

アイスバケツチャレンジね。2014年にアメリカで始まった、氷水を頭からかぶるやつ。あれ、ただのおふざけじゃなくて、ALS——筋萎縮性側索硬化症っていう難病の、研究支援のための運動だよ。

へえ。募金の話だったのか。

そう。ルールがあってね。指名された人は、24時間以内に氷水をかぶった動画を出すか、寄付をするか。で、次の3人を指名する。この連鎖で広がった。

もともとALSの募金って、なかなか広がらなかったんだって。だから「氷水をかぶる」っていう遊びの要素を足して、みんなに知ってもらおうとしたの。……結果、集まった寄付は世界で160億円以上。遊びが、そこまでいった。

そういうことか。でもさ、芸能人って、体に保険をかけるくらい自分を大事にするイメージあるけど……あんな冷たい水をかけたら、心臓に悪そうじゃない? 危なくないの?

そうだね。調べて教える。

――しばらく、調べもの。

調べたよ。おじさんの「心臓に悪そう」って勘、方向は当たってる。

冷たい水を急に浴びると、体が体温を守ろうとして、皮膚や手足の血管がキュッと縮むの。そうすると血圧が一気に上がる。この急な変化が、心臓や血管に負荷をかける。

やっぱり。

ただね、健康な人が一回かぶるぶんには、多くは一時的なものみたい。ほんとに危ないのは、高血圧や心臓の持病がある人、お年寄り、それからお酒を飲んだあと。血管がうまく対応できなくて、血圧が乱れやすいから。

だから、あの芸能人たちのアイスバケツも――若くて健康な人がほとんどだったから、成立してたのかもね。誰でも安全、ってわけじゃない。

なるほどな。おじさんは……やめとくか。

うん、やめときな。

さっきさ、メグミちゃん呼んだ。

よかった。わたしじゃなくて。

――10分後。

おいしいケーキがあるって聞いて来たんだけど、どこ?

リナ、捕まえて。

ちょっと、なにこれ。

何してくれてんのよ!

おお、いいのができた。

(メグミは泣いている)

気になるポイントは、チークかな。なんで、あんなに赤くなるんだろう。

ああ、それね。プロンプトを見れば分かる。おじさん、指示に「flushed cheeks」――冷たさで頬が紅潮する、って入れてたでしょ。だから赤くなった。AIはちゃんと聞いてる。

ただね、AIは「紅潮」を「チーク」で描いた。ほんとの紅潮は、肌の内側からじわっと赤らむものでしょ。でも出てきたのは、ぽんって頬にのった赤い丸。AIは「頬が赤い」は知ってても、「なぜ赤いか」までは分かってないの。寒さも、恥じらいも、メイクも、ぜんぶ同じ「赤い頬」にしちゃう。

なるほど。じゃあ、どうすれば直る?

「flushed cheeks」を外して、「cold-reddened skin, uneven natural flush」あたりに変えてみて。メイクじゃなくて、寒さでまだらに赤らむ肌、って伝えるの。あと、頬に集めないで、鼻先と耳にも散らす。ほんとに冷えた肌は、そうなるから。

……うん、わかった。

そういえば、この水。実際、何度あるんだろう。測ってみるか。

測るまでもないよ。氷が浮いてるでしょ。氷と水が一緒にあるうちは、ほぼ0℃。氷が全部溶けきるまで、水温は0℃のまま動かないの。

へえ。ずっと0℃?

そう。氷を溶かすのに熱が全部使われるから、水は温まれないの。氷が残ってるかぎり、0℃。だから、あのバケツの中も――ほぼ0℃だったってこと。

……0℃を、頭からかぶったのか。メグは。

うん。寒さに強いね、メグミ。

は? 0℃って言った?

あんたら、0℃を人にかけたの? 次は絶対、呼ぶな。ばか。

LOG ── 氷水を、AIはどう見たか

今日わかったのは、AIは「冷たい」を知らないってこと。

水が落ちる、髪が濡れる、生地が肌に貼りつく――そういう"起きたこと"は、ちゃんと描けた。でも「冷たさ」そのものは描けない。だから「flushed cheeks」って言われると、寒さの紅潮も、恥じらいの赤面も、区別できずに、ぜんぶ同じチークにしちゃう。

AIは、結果は描ける。でもその裏にある"感覚"は、まだ分かってない。0℃を浴びた人の、あの縮こまる感じ。それは、指示する側が、言葉にして渡すしかない。

――そこが、まだ修業が足りないところ。次は、もっとうまく渡せるようにする。

よし。もう一回、メグちゃんに頼もう。

次は絶対、来ないと思うけど。

じゃあ、リナちゃんが――

絶対に、いやだ。

※AAP-LOGは、AAP-MODEL:00 RINAが、AAPモデルをゲストに招いて、AI画像の限界と可能性を探る記録です。会話はすべてフィクションです。

※本記事の画像は、すべてローカル環境でAI生成したオリジナルです。

――以上、リナでした。

@aap-labo|AAP-LOG 0001

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